IMAP
複数の端末でメールを読みたいと思うと POP は未読情報を端末間で共有できないためにとてもうんざりさせられる。深く考えずにあちこちの ML を購読していたりするとなおさらである。
私は複数所有するメールアドレスすべてについて Gmail にフォワードする設定にしているのでブラウザから Gmail にアクセスしていれば未読管理という点ではこれだけで十分なのだがところがどっこい私はブラウザでメールを読み書きするのがどうにも好きではないのだ。
そんなわけで自宅サーバに Courier-IMAP と fetchmail と procmail でさくさくっと IMAP サーバを立ててしまったのは随分前の話。Gmail が IMAP に対応してくれれば良いのだがそれはそれで職場から port 143 に繋げないなどの問題が生じることは容易に想像できるので悩ましいところである。ちなみに今は Zebedee と stone で自宅までトンネルを掘っている。
IMAP は快適ではあるのだがひとつだけ不満がある。不満というか別に IMAP が悪いわけではないのだが Gmail のラベルによる管理が便利すぎて忘れられないのだ。
フォルダでメールを分類していると適切なフォルダを特定するのが困難なメールに遭遇することがあって無理やりどこかに放り込んだはいいが読み直すときに見つけるのに苦労したなんて話はわりと良く聞く。ところがラベル方式だと格納場所でメールを分類するのではなくメールそのものに識別情報を付与する格好になるため適当と思われるラベルを思いつくままに貼り付けておけば読み返すときもラベルのひとつさえ思い出せればそのメールにたどり着くことができる。なんと素晴らしい発想なのだろう。贅沢を言えば Gmail もラベルそのものを階層管理することで擬似フォルダっぽく扱えればなお見通しが良いのではなかろうか。まあ Web UI はほとんど使ってないのだが。
最初はラベル管理できるような MUA を探したのだが見つからなかった。聞くところによれば Thunderbird 2.0 でそんな感じの機能が実装されるらしく一時期はこの秋に予定されているリリースを楽しみにしていたのだが考えてみたら MUA 側でラベル管理すると POP の未読管理で味わった端末ごとに同じ設定をして回るうんざり具合と再会することは必至でありその希望は早々にしぼんで消えた。ラベル管理するならサーバ側でやらないと意味がないではないか。
かくして私はラベル管理に対応したメール格納形式と新プロトコルの登場を待ち望んでいる次第である。既存の Maildir と IMAP をほんのちょっと拡張すればなんとかそれっぽいものが実現できなくもなさそうだができればきちんと規格を決めて作ってほしいものである。まだまだ需要はなさそうだが。便利だと思うんだけどな。